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’旬の恵み’が宿る味は歴史と文化がなせる熟練の技  和泉屋 傳兵衛オーナーインタビュー

  • 2018.06.15

ハルニレテラスには軽井沢の暮らしをより豊かに、楽しくするお店が16店舗揃っており、どのお店にも商品から内装に至るまでオーナーのこだわりが詰まっています。そんなオーナーのこだわりや店舗にかける思いをインタビューしてお届けします。

「菓子処 和泉屋傳兵衛」 - ’旬の恵み’が宿る味は歴史と文化がなせる熟練の技
中山道と甲州街道が交わる岩村田宿で1920年に開業した和泉屋。ハルニレテラス店には、地元ならではのオリジナル菓子が並んでいます。和泉屋菓子店の阿部真一社長にこだわりの商品作りについてお話を伺いました。

創業98年(2018年現在)、老舗和菓子店の跡取り息子として生まれた阿部真一さん。大学卒業後は東京の洋菓子店での勤務を経て、代々の家業を継ぐことに。実家の和泉屋に入社して最初に任されたのは、当時中軽井沢にあった西武百貨店の店舗勤務でした。
「ジョン・レノンがよくお団子を食べに来たり、皇室の方がいつも『しなの追分』をお土産に買ってくださったりという思い出があります。ハルニレテラスに出店するときは、ご縁の深い軽井沢に戻ってきたという感じでした」

ハルニレテラスの開業と同時に出店。通常の和菓子屋は大福やみたらし団子など伝統的な商品を製造することが多く、新商品を作ることはあまりありませんが、阿部さんは積極的に商品開発を行っています。
「一月に20種類近く出して、残るのは1つ2つです。昔の職人は100点の材料より安い60点の材料で100点の商品を作っていましたが、100点の素材を使えば技術で120点の美味しさになる。日本各地の色々なところから安い材料を集めるんじゃなく、地元の農家が汗水流して作った良い素材があるじゃないかと気付いて、より良い地元の素材を探すようになったんですね。一年中流通するものでなく、四季折々、旬のものの良さを実感しました」
旬を活かした花鳥風月を伝える和菓子…。和泉屋には従来の和菓子店のような小豆や餅米中心の菓子でなく、地元の農家が育てたアンズやリンゴ、クルミなど旬素材を使った季節限定商品が多く並びます。
「例えば花豆は標高1300mの野辺山の菊池さんという方が作ったもの使っています。糖度が通常の1.3倍。真空釜で柔らかく煮て100%花豆の餡子を作ります。お餅は地元の五郎兵衛米を使用。地元の農家に光を当てて、素材となる農作物の作り手の顔が見えるお菓子を作りたいですね」
コロコロクルミはハルニレテラス店を意識した阿部さんイチ押しの商品。地元のリンゴやクルミを使い、星野エリアの森に住むリスが食べているイメージで作りました。

2017年、97年の歴史を意識した店舗へとリニューアル。店内には代々伝わる簾や木型、追分宿を描いた60年前の切り絵が飾られ、訪れる人々を出迎えています。

菓子処 和泉屋  傳兵衛
お問い合わせ:0267-31-0811